映画『ラストエンペラー』感想・考察レビュー

今回視聴した『ラストエンペラー』についての感想と考察をまとめていきたいと思います。



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感想・考察

 

一ヶ月程前に視聴していたのですが、レビューを書き忘れていたので記録用に残させていただきます。

 個人的な事情で近現代史の勉強をしており、その中で発見した今作。

 昔は地上波などでよく放映されていたそうですが、最近は放映されていない模様。驚いたのは、ほとん動画配信サイトでもほとんど配信されていない事。権利問題などが面倒臭い作品なんでしょうか?仕方なくBlu-rayをAmazonでポチリ。映画ブルーレイにしては結構高めでした。昨今ではレアな映画になってしまっているのでしょうか?

 そんなわけでようやく視聴することができた幻の映画でしたが、内容としては清王朝最後の皇帝・溥儀の生涯を描いたヒストリー映画となっており、動乱の20世紀前半の空気感をひしひしと感じる演出になっており、キャストとしても出演されている坂本龍一氏による映画内の音楽がとにかく壮大で美しかったです。特にテーマ曲は、溥儀の儚い人生を表現したような、哀愁と壮大が入り混じる、エモーショナルな雰囲気があり、すぐにYouTubeでヘビロテするぐらい病みつきになりました。

 シナリオに関しては、歴史を学んだ後で観たので大まかな流れこそ分かっていたのですが、映像と共に溥儀の誕生から晩年までを観ることで、時代の流れというものが個人の人生にどれだけ影響力を持っているのかと言う事を体感させられました。

 溥儀は、滅びゆく清王朝の末裔として生まれ、側から見れば何不自由ない暮らしをしていたように見えても中国の弱みに漬け込んできたイギリスや日本、様々な国に自分の人生の全てを支配されていくという残酷な現実に晒されてゆく。しかし溥儀自身がその抑圧に抵抗したところで、彼一人の力で大きな変化をもたらすのは難しかっただろうし、それでは彼の精神や意志の弱さが、彼の人生を狂わせてしまったとも一概に言えないような、”どうしようもない”現実の荒波を、特に後半はひしひしと感じました。今作では溥儀の尋問官がキーパーソンとして登場しますが、彼もまた終盤で、毛沢東ら共産党に捕まえられ、時代の犠牲者となります。この事からも、この映画は溥儀という人物を通して、「時代の犠牲者」というテーマを描きたかったのではないのかなと個人的には分析しました。

ラストシーンで「キリギリス」が壺から這い出てくるのも、生まれながらに囚われていた溥儀の魂が、ようやく解放されたというメタファーになっているのではないかなと。

 何はともあれ、前々からずっと観たかった映画なので視聴できて満足できたと共に、近現代アジアの歴史への興味を俄然湧かせてくれる、雄大で素晴らしい作品でした。



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